皆さんは、パソコン作業をして画面が見にくくなったり、疲れたりしていませんか?若い方であれば、心当たりは少ないかもしれませんが、30代後半になってくると思い当たる節があるのではないでしょうか?また、近くは見えるけど、パソコンの画面が辛いという方もいらっしゃるかと思います。
眼鏡店では、パソコンの画面が見えない、辛いというお客さまのご相談が非常に多いです。しかし、このお悩みはメガネで解決できることが多いです。
そこで今回は、パソコン作業に向いたメガネのレンズをメガネズムの独断と偏見でご紹介します!
この記事は主に40才以上の方向けに解説しています。
『遠く(=遠用):5m以上先』『中間:2-4m程度』『近く(=近用):1m以内』という考えで解説しています。
この記事は、YouTubeでも配信していますのでラジオ感覚で聞き流してください。
パソコンに向いているレンズ
メガネのレンズには6種類があります。
- 遠用レンズ
- 近用レンズ
- 遠近両用レンズ
- 中近レンズ
- 近々レンズ
- サポートレンズ(40代向けの限定レンズのため今回は考えません)
この5種類の中でパソコン作業向きのレンズをメガネズムの独断と偏見で評価すると…
- 遠用レンズ ×
- 近用レンズ 〇
- 遠近両用レンズ △
- 中近レンズ ◎
- 近々レンズ ◎
※◎:すごくおすすめ! 〇:おすすめ! △:あまりおすすめしない ×:おすすめしない
それぞれの理由を解説していきます!!!
遠用レンズ ×
これは言うまでもありません。遠く用のレンズのため近くにあるパソコンの画面は見にくく疲れやすいです。そもそも、遠くのメガネで見えないので、他のレンズを検討しているはずです。見にくくて疲れるメガネを求めている方以外は選択しない方が身のためです。
近用レンズ〇
近用メガネは世間一般では「老眼鏡」と呼ばれています。
近く(1m以内)にあるパソコンの画面は、近用レンズでは見える距離にあります。ただし、近用メガネはよく見える距離が決まっているためその距離以外は見にくくなります。
例えば、デスクトップ型のパソコンの画面を近用メガネで見たいとします。使用環境によりますが大体、目と画面の距離は60㎝くらいが多いです。
この60㎝で近用メガネを合わせて作るとパソコンの画面は、よく見えます。ただし、画面の手前にある書類やスマホ、画面よりも遠くにいる人の顔は見にくくなりますし、歩くことはできません。

つまり、パソコンの画面だけをきれいに見たいのであれば近用メガネは最高のレンズです!
逆に、書類も見たり人の顔も見たりする方や掛けたまま歩きたいという方は近用メガネでは不満が多くなります。
近用メガネを作る際にはパソコンの画面以外の作業もあるのかどうかも考えなければなりません。
余談ですが、眼鏡店のスタッフが老眼鏡と呼ばずに「お手元のメガネ」、「近く用メガネ」、「近用メガネ」と頑なに連呼していたらそれはあなたへの気遣いと思って下さい。老眼鏡というとイメージ悪くないですか?(笑)
遠近両用レンズ △
パソコンの画面を見るのに私は遠近両用レンズはあまりおすすめしません。利用者は多いですが不満が多く我慢して使っている印象です。念のため言っておきますが、遠近で使えないわけではありません。遠近でパソコンを見ている方もいらっしゃいます。
私が、あまりおすすめしない理由は、姿勢が疲れるのと見える範囲が狭いという点です。
姿勢が疲れる
遠近の構造上、近くが見えるエリアはレンズの下の方にあります。
遠近の仕組みについてはYouTubeやブログで解説していますのでご覧ください。
【YouTube】
【ブログ】
パソコンの画面は目と同じくらいの高さにあります。つまり、顔を上げないとレンズの下の方でパソコンの画面を見ることができません。皆さんもやってみて下さい。顔を上げてレンズの下の方で見てみて下さい。この姿勢を30分我慢すると首が痛くなったり辛く感じたりしませんか?顔を上げたまま作業すると首に大きな負担をかけてしまいます。

見える範囲が狭い
遠近の構造上、近くが見えるエリアは狭いです。顔の角度が少し違うだけで見え方が変わってしまいますし、左右の見えるエリアも狭いです。レンズの真ん中付近はピントが合いますが、レンズの縁の方はピントが合いにくくなります。パソコンの画面をはっきり見ようとすると顔ごと左右にも振らないといけませんので、その動作でも疲れてしまいます。

中近レンズ ◎
私が、パソコン作業用に一番おすすめするレンズは中近レンズです!
この中近レンズは、室内ではとっても優秀なのです!
掛け外しなしで、家事ができ、テレビやパソコンを見ることもできる上にスマホまでできてしまう死角なしの室内用のレンズです。
この便利な中近は、YouTubeや別の記事でも語っているので参考にして下さい。
【YouTube】
【ブログ】
私は、約3年前に白内障と硝子体手術をしましたので、遠近や中近を使用しています。自宅では中近を愛用しており、自宅で過ごす時はほとんど中近でまかなえています。たま~に、細かな作業をするときに近用メガネを掛けるくらいです。中近を使って感動したのは換気扇の掃除です。動画やブログでも語っていますが、遠近だと天井に付いている換気扇は見えないのですが、中近だと見えます。この体験をしてから中近で過ごすことが多くなりました。中近だと白内障手術をする前と同じ感覚で見ることが出来ますのでもう手放すことができません。そのくらい私は気に入っています!
先ほどと同じようにデスクトップ型のパソコンの画面を見るとしましょう。遠近では、顔を上げないと見えませんでしたが、中近はあまり顔を上げなくても画面をみることができます。遠近よりも近くが見えるエリアが近くにありますので、遠近よりも楽な姿勢で見ることが出来ます。長時間のパソコン作業も気にならないくらいです(あくまでも、個人の感想です)。

メリットばかり言いましたが、デメリットもあります。それは、作るのが難しいです。これは、作る側、つまり、眼鏡店側の話です。まず、そもそも中近を理解していない店員がいるということです。特に、入社年数が若い子があてはまります。若い子は中近を掛けたこともないですしイメージがわかない上に、考え方もややこしいからすごく抵抗感をしめす子たちが多いです。(すべての若い方々ではありません。あくまでも、私の指導経験に基づいた独断と偏見によるものです。一生懸命勉強されている方もたくさんいらっしゃいます。)
中近を理解していない店員に当たってしまうと上手く度数調整が行えず、見にくいメガネとなる場合もあります。心配な方は、1級眼鏡作製技能士やJOA認定オプトメトリストにメガネを作ってもらいましょう!
近々レンズ ◎
中近と同じくらいおすすめなのが近々レンズです。近々レンズとはあまり聞き慣れないかも知れません。近々レンズは、近用メガネと同じで近く用のメガネになります。違うのは、見える範囲が一点ではないということです。
先ほどと同じようにデスクトップ型のパソコンの画面を見るとしましょう。
近用レンズでは、画面しか見えなかったですが、近々レンズは、パソコンの画面と書類の両方が見えます。ただし、画面の向こう側の人の顔は見えません。
近々レンズの見える範囲は、40~60㎝という具合に幅があります。この見える範囲は、老眼の進行度合い等に影響されるため一概には言えませんが、近用メガネと比べると断然使い勝手がよくなります。

もちろん、デメリットも存在します。
それは、パソコンの画面よりも向こう側は見えませんし、歩くこともできません。パソコンの画面よりも遠いところを見たいときはメガネを外すか違う種類のメガネを掛け替える必要があります。
パソコン画面よりも手前の範囲をまんべんなく見たい方には近々レンズがおすすめです。
おすすめレンズの選び方の基準
メガネズムがおすすめするレンズは中近レンズと近々レンズでした。
この2本を使えばパソコン作業は、はかどること間違いなしです!
と言いたいところですが、「2本も買えるか!」という言葉が聞こえそうなので、ここからはあなたがどっちに向いているのかを解説していきます!
と、その前に、
メガネ作製に置いて大事な考え方を解説した記事がありますので、実際にメガネを作製するときに参考にして下さい。
①【プロも納得】賢い人だけが得するメガネの方程式 #01(最低条件)
中近レンズに向いている人
中近レンズの特徴は、
- 室内専用
- 歩行可能
- 見える範囲は近くから中間距離まで
- 遠近よりも楽な姿勢で画面を見ることができる
これらの特徴を踏まえると、室内でパソコン以外の近く~中間距離をまんべんなく見る方やメガネの掛け外しの回数を減らしたい方は中近を選択した方が快適なメガネライフを過ごせるかと思います。
具体的には、掃除や料理、洗濯などの家事全般、テレビを見る、新聞を読む、スマホを見るといった趣味娯楽を一本のメガネで済ませたい方向けです。
もちろん、掛け替えが苦にならない方も中近と近用メガネなどの使い分けもアリです!

近々レンズに向いている人
近々レンズの特徴は、
- 近く専用
- 歩行不可能
- 中近よりも楽な姿勢で見ることができる
これらの特徴を踏まえると、近くのみを見たい方や長時間のパソコン作業を快適に見たい方におすすめです。近々レンズの最大の特徴は、楽な姿勢ではっきり見えることです。近々レンズを掛けて真っ直ぐ見るとパソコンの画面がはっきり見えます。中近では少し顔を上げないといけませんでしたが、近々ではそのまま自然な姿勢のままパソコン作業が出来ます。
パソコンの画面だけではなく、画面と資料を交互に見る作業や、読書、裁縫、書き物など長時間、手元しか見ない方は近々レンズにすると快適に作業が進みます。
パソコンの画面までの距離しか見ない方や作業中に歩かない方は断然、近々レンズがおすすめです!

まとめ
いかがでしたでしょうか?
パソコン作業が楽になるレンズは、中近レンズと近々レンズでした。それぞれのメリット・デメリットがありますので、よく特性を理解した上でメガネを作製しましょう!
よくわからない方や初めてのメガネ選びの方は。店員さんに相談してアドバイスをもらいましょう!