前回の記事の続きです。(この記事からでもお話は分かりますので、このままご覧ください)
黄斑前膜+白内障手術の体験談の記事はコチラにまとめてあります。
この記事は、YouTubeでも配信していますのでラジオ感覚で聞き流してください。
強度近視、ど近眼とも呼ばれます。
メガネのレンズは瓶底のように厚く、メガネを外すと何も見えなくなり歩くこともままならなくなります。
メガネが自分の体の一部となりなくてはならない存在です。
そのような強度近視の方が、白内障手術をすると世界が一変します。
メガネ無しでも見えるようになります。
白内障は、片目だけなる場合もあります。強度近視の場合、片目だけ手術をするとバランスをとるのが難しいです。
今回は、私の実体験をもとにお話していきます。
私は3年前に黄斑前膜(左眼)と白内障(両眼)を手術しました。私の度数は、両眼とも強度近視と強度乱視です。当初は、左眼のみ手術をする予定でした。右眼は、白内障があるかないかぐらいの程度でしたので当時は手術をしなくても良いというのが先生の判断でした。
しかし、私は、先生の意見に反し右眼も手術するようにお願いしました。けっこう、先生は、渋りましたが結局、両眼ともに白内障手術をしました。
結果、私は、満足しています。
強度近視の方が、片目だけ白内障手術をするお話しはよくあることです。そして、全員ではありませんが、多くの方は術後、苦労することになります。
なぜ、苦労するのか?
実際に手術した私の体験に沿ってお話していきます。
まず、片目だけ手術するとどうなるのか?
私の場合は、当初の予定では、左眼のみ手術する予定でした。眼内レンズの焦点距離は、近くの30cmのところです。左眼のみを手術すると、左眼の度数がかなり弱くなります。そうすると右眼との度数の差がかなり大きくなってしまいます。
度数の差が大きくなると様々な問題が生じます。
裸眼の状態では、左眼は、30cmにピントが合いますが、右眼は、10cmにピントが合います。
たかが、20cm程度だと思われるかもしれませんが、私の経験上、5cm程度のピントのズレで多く方は見え方に違和感を感じ始めます。片目だけでしか見ていないような感覚と表現されます。
もう、お分かりかと思いますが、20cmのズレはかなり大きいです。人によってはダブって見えて気持ち悪く感じると思います。
裸眼では遠くが見えないので遠くを見るためにメガネをかけなければなりません。
しかし、ここでも問題が発生します。
左右のレンズの厚みや重さが違ったり、左右の見える物の大きさが異なって見えてしまうのです。
特に問題なのは左右の見える物の大きさの違いです。
左眼は大きく見えて右眼は小さく見えてしまうのです。
人間は、物を目で見ているのではなく脳で見ています。
目は周囲の情報を集めているだけです。目から入った情報は、視神経を通り脳へ伝わり処理されます。皆さんもご存じの通り、目は2つついています。2つの情報が脳へ伝わりますが、実際に私たちが認識しているのは、1つです。それぞれ、別々で見えていません。
これは、脳が2つの情報を1つにまとめて処理してくれているからです。もし、脳がこの処理をしなくなってしまうと右眼と左眼の2つの映像を同時に見ることになりダブって見えたり、距離感が把握しづらくなってしまいます。
実は、左右の見える物の大きさが異なっていると脳が1つにまとめることができなくなってしまいます。
1つに見える条件
脳が1つにまとめられる条件というのがあります。それは、
①左右の目に写る物が同時に見えること
②左右の目に写る物の大きさが等しいこと
③左右の目ともに同じくらい物が鮮明に見えていること
です。
左右の見える物の大きさが異なると条件から外れるためダブって見えてしまいます。
つまり、強度近視の方が片目だけ眼内レンズを入れたらメガネ有り無しに関わらず生活しにくい環境になってしまうのです。
勘がいい方は、お気づきかもしれませんが、片目だけ手術しても困らないケースがあります。
それは、手術前と手術後の度数を変えないことです。
度数を変えなければ、先ほど述べた「ダブる」ということは発生しません。
しかし、これには注意が必要です。度数を変えないということは、今の環境から何も変わらないというこです。強度近視の見え方、過ごし方に満足していて変えたくないということであればそのままで問題はありません。
特に注意しないといけないのは、将来、右目が白内障になって手術をしないといけなくなったときに、度数が変更できないことです。左目は、すでに手術をしていますので基本的には再手術は行わエません。
本当に、一生強度数のままになるので慎重に考えた方がよさそうです。
メガネ無しで快適にスマホが見たいと願うのであれば、度数を変えた方が快適に過ごせます。
片目だけ手術するよりは両目ともに手術した方がダブることもないし気持ち悪くならないので実用的です。
しかも、メガネの見た目も綺麗です。左右のレンズの厚みも同じなので重量バランスが良くかけ心地も安定しやすいです。
両目同時に手術するデメリットは、手術や通院日数が多くなり、費用も高くなることだと思います。
ここまでの意見は、実際に手術を受けた眼鏡店の店員である私の考えです。
眼科の先生は、どのように考えているのでしょうか?
正直なところ真相はわかりませんが、考えられることがあります。
「健康な眼は触りたくない」
「光学的な分野は専門外」
などが考えられます。
日本の医療は、基本的には余計なことはしません。なぜなら、今、手術をしてしまうと将来、事故などで再度手術をしようとした時に手術ができなくなることもあるからです。
つまり、手術をしなくても生活ができそうであれば手術は積極的に行いません。将来、万が一の時に備えるのです。
この考え方が、良いのか悪いのかは、私にはわかりません。ただ、1つに言えることは、先生は、患者の方のために全力を尽くしているということです。
そして、眼科医は、レンズの分野である眼鏡光学は専門外ということがいえます。
これは、レンズがどのように私たちの眼に影響を与えているかというこまかなところまで把握はしていないと思います。
その根拠は、眼鏡店が眼科にレンズの特徴を説明することが度々あるからです。
眼科側も日々進歩するレンズには疎い場面もあるようです。
いかがでしたでしょうか?
今回は、強度数の片眼手術について私の偏見でお話ししました。このお話しは私の体験と経験に基づいてお話していますので当てはまらない方もいらっしゃるかと思います。一つの事例と捉えてください。
<続く!>

