前回の記事の続きです。
黄斑前膜+白内障手術の体験談の記事はコチラにまとめてあります。
この記事は、YouTubeでも配信していますのでラジオ感覚で聞き流してください。
<前編>
<後編>
退院1か月後
退院してから1か月もすると見え方も安定してきて気持ちも落ち着いてきます。安定する時期は一般的には3か月と言われています。しかし、最近の白内障手術は、角膜に開ける穴が非常に小さくなってきていますので、大体1か月程度で安定することも多くなってきているそうです。
退院してから1か月経過して気づいたことがあります。それは、
- 焦点距離は約50㎝
- 左目の歪みは減少している
- ハローグレア現象が発生する
- 光が非常に眩しい
- 左目が白っぽく見える
- 距離感が掴みにくい
- 動作が遅くなる(瞬発力の低下)
の7つでした。それぞれ詳しくお話していきます。
①焦点距離は約50㎝
手術前の眼内レンズの焦点距離は約30㎝程度の所を希望しました。当初の予定より遠めに焦点があっています。そもそも、なぜ私が30㎝の所に焦点距離を合わせたかというと、私の生活では、近くを見る時間が多いのと、メガネ屋という仕事がら近くで小さい物を見る機会が多いからです。
近視の場合、近くの見え方で一番見やすいと感じるのは裸眼です。これは、実際に感じている方も多いのではないでしょうか?レンズが目の前にあると光の透過率が下がるので暗くなりますし、物が小さくも見えます。
なので、裸眼で近くが見えれば、メガネを中間~近方に合わせて作れば、メガネを掛けても見えないと感じたら外せば見えるということをすれば困りません。
他にも理由がありますが、話が長くなるので別の動画でお話したいと思います。
焦点距離が50㎝だとあまり実用的ではありません。
デスクトップ型パソコンの画面の距離は60㎝、本を読む距離は40㎝、メガネの加工は30㎝、スマホを見る距離は20㎝です。

自分が見たい距離と全然合いません。
手術前の私は、強度近視だったためメガネを外すと焦点距離は10㎝程度に合っていました。かなり近いです。
私の一日の中で一番楽しみにしているのは就寝前に布団の中でスマホを見ることです(あまりよろしくない習慣です…)。起きている時は、仕事、家事、育児と自分の時間はほとんどありません(全てのママ・パパの共通事項ですが…)。自分の時間は朝活の時間と子供が寝た後の時間と限られています。その限られた少ない時間で見るスマホは格別なのです。それを裸眼のままで見たいのです。
手術前は近すぎて画面全体が見えませんのでメガネを掛けて見ていましたが、寝転んでいるのでメガネが自分の顔に当たり痛いのです。しかも、うっとしいです。メガネなしで見えればどんなに快適だろうかと夢見ていました。
焦点距離が50㎝だと腕をピンと伸ばした状態だ50㎝くらいです(小柄の方の場合です…)。腕を最大に伸ばせば見えるのですが快適には程遠いです。今は、もう少し手前でスマホを見ていますが、少しボヤケながら我慢しています。
②左目の歪みは減少している
左目は、黄斑前膜(上膜)がありましたので、私の場合は歪み(変視症)がありました。(どのように見えるかは過去の記事で紹介していますのでコチラからご覧ください。)
手術前と比べるとかなり歪みは減少していました。手術前は、片目ずつ交互に見比べると明らかに歪んでいることが分かりました。
術後は、よーく見ると歪んでいるなあ~という程度です。これは、完全に治ることはありませんが、生活に支障がなくこの時は過ごせていました。
ここで、余談ですが、黄斑前膜の方は、多かれ少なかれ、変視症、大視症があると思います。大視症というのは、物が片眼よりも大きく見える症状です。私の場合は、幸運にも変視症のみでした。この変視症ですが、メガネで度数を合わせれば合わせるほど自覚しやすくなります。視力で言うのならば、視力1.0の歪みの感じ方と視力0.6の歪みの感じ方は違うのです。はっきり見える視力1.0の方が歪みが鮮明に見えるので歪みが認識しやすくなり違和感を感じやすくなります。
過去に私が担当したお客さまもこのようなことでお困りでした。よく見るけど疲れると。この時のお客さまは眼科では視力が1.0見えるから手術は成功しているし慣れるしかないと言われて眼科を頼ることが出来なくなっていました。他のメガネ屋さんに行っても疲れるメガネになってしまって困っているということでした。
私は、生活に困らないくらいの最低限の視力で見えるメガネをご提案しました、そうすることで歪みを認識しづらくなります。この方法でそのお客様は、疲れから解放され手術前と同じような生活を送られているそうです。
③ハロー・グレア現象が発生する
ハロー現象とは、光の周りに輪っか(リング状のもや)が見える現象で、グレア現象とは、光がぎらついたり眩しく見える現象です。

日中は気になりませんが、夜になると気になります。夜の街灯を見るとハロー現象がでて見にくくなりまし、角度が悪いと光が伸びて花火のように散ります。街灯が多い道だと光が主張しすぎて見にくいです。
このように聞くと人によっては「街灯を見なければいいじゃん」と思うかもしれません。私もそう思います(笑)でも、見たくなくても勝手に視界に入ってくるのです。視界の縁のほうでチラチラと見えるのです。すごく気になります。一番気になるのは、車のヘッドライトの光です。今のヘッドライトはLEDなので光が強くハロー・グレア現象も強くでます。しかも、車は早い速度で移動しています。チカチカと移動してうっとうしいです。この症状は、3年経った今でも変わらず続いています。
しかし、解決策がないわけではありません。この症状はレンズで減少させることが出来ます。この改善策はまた機会ががあれば別の記事でお話したいと思います。
④光が非常に眩しい
私は、もともと光に敏感でした。手術前でも外に出かけるときはサングラスをしていないと目が疲れてしまいました。術後は、敏感さがより増した気がします。横断歩道の白線は、非常に眩しいですし。商業施設によくある白い壁とLEDライトの組み合わせも光が強く感じ眩しいです。
白内障手術をするとよく眩しさを訴える方は多かったですが、最近は少なくなってきているようです。なぜなら、眼内レンズ自体に少し色が付いているからです。昔は、眼内レンズは透明でした。もともとの水晶体も少しくすんでいます。ですので、昔の眼内レンズは眩しく感じます。しかし、近年は、眼内レンズに水晶体と同じくらいの色を付けて明るさをコントールしているみたいです。
職場では、白内障手術をした人が数名いましたが、光に敏感な人はより敏感に感じていました。
⑤左目が白っぽく見える
左目だけですが、光が白っぽく見えました。ハロー現象に似ていますが、モヤがかかっているかのようです。左右の見え方を見比べると全体的に左目の方が白い感じがします。両目で見たときは左目の白さは全然、感じません。この時点では、あまり気になるほどではなかったです。
しかし、この症状はどんどん悪化をしていきます。そのお話は、次回の記事で詳しくお話していきます。

⑥距離感が掴みにくい
手術前の度数は、両目ともに強度近視+強度乱視です。手術後の度数は、弱度近視+強度乱視です。強度近視の方が弱度近視へ度数を変更する場合は、注意が必要です。近視のレンズは度数が強ければ強いほど物が縮小されます。つまり、度数を弱くすると、レンズ越しに見える物は大きくなります。ものが大きくなると近くに感じるため、距離感に違和感を感じやすくなります。私は、術後、一週間ほどで遠くのメガネを作製しました。生活するのにどうしても遠く用のメガネが必要だからでした。遠くのメガネを作製してから1か月間は距離感が掴めにくくよくつまづいていました。同僚からも「なんか探り探り歩いているよね?」とも言われました。何せ、30年以上強度近視+強度乱視のレンズの距離感に慣れています。いきなり、度数を弱くしたら脳も混乱してしまいます。
⑦動作が遅くなる(瞬発力の低下)
術後の変化で、最も想定外だったのは、動作が遅くなることです。明らかに手術前と比べると体の動かし方がワンテンポ遅いのです。私は、趣味が自転車に乗ることです。コーナーを曲がるときに重心を移動させて曲がるのですが、体を倒そうと思ってもワンテンポ遅れて体が動くのです。最初のうちは、一か月以上自転車に乗っていなかったから体がなまっているんだと思いましたがなかなか以前のように俊敏に動くことが出来ませんでした。
自己分析になりますが、体を倒そうと思ったら距離感を測ってから行動しているようです。どこまで倒してもいいのかが瞬時に分からないみたいです。手術前は、自分の倒す位置まで瞬時に持って行くことができます。しかし、術後は、その位置が分からないみたいです。
つまり、瞬発力が著しく低下しているのです。自転車は時速30キロ以上で走るため、コンマ一秒でも判断が遅れると自分の理想とするラインを走ることが出来ません。トレーニングを積み重ねて手術前と同じような感覚に戻りつつありますが、日常生活では、瞬発力の低下を感じる機会が多々あります。
まとめ
私が、手術後の変化で主に気になったのは、7つでした。これは、あくまでも、私の場合のお話しで一人一人感じ方が違うと思います。術後の不調は、ストレスがたまり生活に支障をきたす方もいらっしゃいます。一人で悩まずに眼科や信頼できる眼鏡店に相談されると解決策が見いだされることがあります。稀なお話ですが、眼の学校や専門の眼科医と繋がっている眼鏡店もあります。その場合は、学校の教授や専門医を紹介されて解決されたケースもあります。
目の不調を言語化するのは難しいかもしれませんが、専門家ならば理解してくれると思います。
<次回へ続く!>